| その日、スネークはリビングのソファに寝そべったまま惰眠を貪っていた。 暇なのである。だからと言って何かをする気にもなれない。 部屋は掃除するほど散らかっているわけでもないし、オタコンの自室に至っては乱雑すぎて手を出す気にもなれない。 ようは、面倒なのだ。 起きあがることさえ面倒だと感じるのは久しぶりかもしれない。 幸いにして、早急に片づけなければならないものもない。 トロトロと寝ているような起きているような微妙な状態で、かれこれ数時間ソファから動いていない。 我ながら自堕落だな、と頭の片隅で思いながら、まあいいかと欠伸をする。 「何か珍しいね」 オタコンの僅かに呆れたような声に、ああ、と生返事を返す。 奴だって前日の夜更かしが祟って昼過ぎに寝床から出てきたばかりだ。 昼夜逆転人間に何を言われようと知ったことではない。 「コーヒーでも飲むかい?」 「ん、ああ」 横目で見たオタコンは既に二人分のカップを手にしている。 インスタントのそれは味も香りも中途半端だったが、やはりまあいいか、といった心境だった。 ソファに投げ出した自分の足元に狭そうに座ったオタコンが欠伸をする。 「僕も眠くなってきた。ちょっと空けてくれないかい?」 「さっきまで寝てた奴が何を言ってるんだ」 「一日中寝てる君に言われたくないよ」 しぶしぶ起きあがると、少し広くなったスペースでオタコンが伸びをした。 「後で買い物にでも行こうか」 「…起きたらな」 大の男が狭いソファで肩を寄せている図なんて、なかなか想像したくない物だったが。 まあ、いいか。 重なった寝息が聞こえてくるのは、それから数分後の話である。 |